-生徒会室-(語り部:リオ)

セリア「天界も者共からの攻防に備えて、会議を行うわ。」

…。

セリア「流石に、この学園界の存在も危うくなってきているわ。」
セリア曰く、学園の存在がグロウに知らされている可能性が高いらしい。
元々、此の学園は"グロウを打倒する者共を育成する機関"として、設立されたという。
数億年の時を得て・・・グロウの場所を探知、打倒方法…など色々やったらしいが。

…。
今日は、セリアの夫が来ていた。
普段は、夜中の学内掃除をしている針鼠の獣人らしい。

レオン「…セリアの言う通りだな。
    しかも俺達は、グロウの場所を特定している。」
場所の特定だけで、準備は整ってないのでは…。
ミカ「場所の特定は終わってるけど、弱点が超強力な光属性なんだよね。」
光属性を扱える奴は居ないのか?
みかん「ルーシェさんは聖属性だから…駄目だよね。」

皆が黙り込んでいる。

ちなみに会議の参加者は…
我、セリア、ミカ、みかん先生、セリス、レオン
といった感じだ。

ガラッ

…。
学長とゆうなさんが部屋に入ってきた。

ゆうな「ボクなら光属性使えますので、天界に攻めるなら…どうでしょうか?」
どうやら、グロウにダメージを与えられそうな人のようだ。
セリア「でも、姫の戦闘力はグロウの所為で低下してるしねぇ…。」
タクト「一応、俺の昔の友人に要請を出しといたが。」
学長の友人か…強いんだろうな。
ゆうな「名は何です?」
タクト「"ウェリ・ヴェペトリム・リア・ファグナ"…二つ名は"洸創者"だな。」
洸創者…昔読んだ御伽話の本で見た名前だ。
確か、光属性の創始者だとか何とか。
そういえば、三剣の一振りである邪剣を作った人らしいな…。
詳しい事は、あまり知らないが。
…其れにしてもファグナ家の人か。
アルトと血縁関係があるかもしれない。
ゆうな「ボクが力を取り戻したとしても、絶対に勝てない人ですね…よく要請出しましたね。
    …只でさえ気紛れ屋だというのに。」

…気紛れ屋なのか。
断られる可能性があるか…。

セリア「とりあえず、可能性は少しながらありそうね。」
みかん「断られた時の対策を練っておかないとね。」
いざという時の対策は必要だろう。
天使兵が、この学園に来るくらいだからな。
セリア「…そうね。」

…ふと校庭を見ると、人らしき人物が一人居た。

-校庭-(語り部:ウェリ)

ウェリ「…魔界学園は此処か。」

私の名はウェリ・ヴェペトリム・リア・ファグナ。
二つ名は"洸創者"だ。
訳あって、学園に来ている。

所持する物が珍しく…探す時間が長かったため学園に向かう期間が多少遅れてしまったが。

其れにしても…よくこんな次元を作ったものだな。
魔王を育成する学園だと聞いたが。

タクトから要請を出される前に、私は学園の存在と過去の出来事についてミカから聞いた。
ミカとは、大昔から交友関係だった。
最近になって、あまり見かけなくなったが。

さて、ミカから聞いた情報の整頓でもするか。

タクト共が住んでいた次元が破壊され、多くの仲間を失う事を未来のセリアから伝言で告がれる。
逃げる場所を確保する為に、魔界学園という見た目上教育機関に見立てた建設物が設計士ジュンにより作られる。
グロウという化け物が、其の次元に出現…と共に凄まじい破壊力を持った魔術により次元崩壊。
次元崩壊した事で、仲間を大勢失ってしまう。
セリアによる次元の系統の剣術で"次元の歪"を生む。
其の歪から魔界学園へ繋がる一線の道を猛速度で駆け抜けようとするがグロウが出現。
現れたグロウから道を死守する為にタクトが防衛。
死ななずに済むも、瀕死になりながら学園界へ到着する。

…到着したのは良いが、タクトのみ次元の渦に呑まれてしまう。
数千万年後になって、タクトが帰還。
何があったのか、本人は話そうとしなかったらしい。
…何か悲しいことでもあったのか?

学園に辿り着いた者共達で、今後の計画を会議し実行。
色々あり、生徒を募集したりして今に至る。

余談で、グロウについて聞いた。

数億年の時を得て・・・グロウの場所を探知、打倒方法…など詮索を数千回に及び実行。
弱点は光属性。
しかも超威力の魔術で無ければいけないらしい。
理由は簡単なもので、超高威力の光属性の魔術でなければグロウにダメージを与えられないという事だ。
特性は"生物に憑依"と"身体能力強化"。

…このくらいか。
更に情報を突き止めなければな。

私の前にタクトが居た。
私に気づかれずに移動したのか…此の魔王は。
相変わらず、気持ち悪くて…相手にしたくない奴だ。
…よく見ると、タクトの隣に灰髪灰眼の子と天使の子が立っていた。

ウェリ「ふむ…此の子達は?」
当然ながら、正体を全く知らないので尋ねてみる。
タクト「俺の優秀な生徒だ。
     此の男は、リオ・ヘスティミアといって理という不思議な力を行使できるらしい。
    …この女の子はセリス・フォン・ウィザードといって三振りの剣から生まれた子だ。
    一応ながら、神天使の力を行使できる。」

ヘスティミア家の子は上級貴族だな。
理術を行使できる、唯一無二の血族と聞いた事がある。
27日前に4日掛けて其の血族に関係ある城を各地周ったが、何所も全壊していた。
グロウの仕業か?
謎が深まるばかりだ。
何故理術に関する血族を消そうとしたんだ?
…そういえば、四柱神の一人であるヘディアも其の一人だな。
アイツは簡単に死なないから大丈夫か。

さてと…問題は此の子か。
過刻剣リアヴェリク…グレン・ガリバー・ド・エクスカリバー…魔剣マギナ…。
この3本の剣から生まれし子。
一本でも剣が砕ければ、存在が消える可能性が十分にある。
…と妹であるアルトから聞いた。

タクト「…俺の名はタクト・フォーヴァン・ゼクター。
    学園は貴女を歓迎する。」
妙な挨拶をされてしまった。
荷物があるので、集会所らしき場所に連れてって欲しいのだが。
ウェリ「炎を纏う剣士に渡す物があるのだが。」
タクト「そうか…テレポーテーション。」

-生徒会室-(語り部:ウェリ)

ウェリ「来たぞ。」
タクト「…。」

狭いな…。
まぁ、広すぎるのもよくないが。

ミカ「おかえり〜。」
セリス「お帰りなさいです〜。」
此の子か。
セリア「此の人が…。」
何故か、驚いた顔をしてるのは気のせいでは無いな。
初見だから、仕方ないか。

早速、私が持ってきた品をミカ…他全員に見せる。
ウェリ「ミカから頼まれた品を全次元に及んで探したぞ。」
大きめの机に特殊な布で包んだ剣を置いた。
セリア「…。」
ミカ「ありがとうね。」
ウェリ「昔の好だからな、気にするな。」
…さっきから赤髪赤眼の子が剣を見てるのが、凄く気になるが。
ミカ「…セリアが気になるん?」
セリアと言うのか…此の子は。

…。

…?

私と似た魔力の波長を感じるな。
アルトが何かやったのか?
まぁいい、深く考えない事にしよう。

とりあえず、私は剣を包む特殊な耐漏洩魔力防止効果のある布を取った。

ミカに頼まれて持ってきた剣だが、私には何の剣なのか全く分からなかった。
ミカから剣の波長とか…剣の形しか聞いてなかったからな。

セリア「絶剣ギアブレード…。」

………は?
此の剣の名前分かるのか?
詳しく聞いてみるか。

ウィリ「此の剣について、何か知ってるのか?
    私は、ミカから凶悪な剣としか聞いてないので全く分からないのだが。」
セリア「昔…"小林川アリッサ"という私の友人を屠った剣よ。」

小林川アリッサ…聞いた事があるな。
此の世の者では無いらしい。
…此れしか知らん。

セリア「此の剣の一閃は、魂を砕くとも言われてるわ。」
災厄の剣なのか?
セリア「…其処まで危険な剣では無いハズよ。」
…思考を読む事ができるのか。
リオ「…我と同じか。
   心を読まれやすい体質なんだな。」
ウェリ「"心読"という技術か…、私は思っている事を読まれても気にしないが。」
リオ「…チッ。」
舌打ちされた、ショックだ。

セリア「其の剣に纏わる過去話でもしようかしら。」
みかん「…。」
セリア「みかん…ごめんね。」

第二十二章に続く